1、割物(変心変化菊などの芯物)の玉込め行程


夜の打上げ花火の代表的な花火で、花火の競技会の基本となる玉です。


  6号玉の芯物(開いたときに球状が二重になるものを芯物)の玉込めの行程を下記の写真で説明いたします。いろいろな方法がありますが一般的には「合わせ芯」(量産型)という方法で行います。今回はこの方法を説明いたします。
まず部品として玉皮(玉の形を形成する半殻、二つで一組)、親星(開いたとき外側にある星)、芯星(開いたときに内側にある星)、割薬(玉を開かせるための火薬)、親みち(打ち上げ玉の導火線の部分)、隔紙(星と割薬を玉の中で分けるための和紙)が必要です。この部品を作るまでに早くて1週間はかかります。

図1より図4までの行程を説明いたします。


図1、玉殻に親星を並べたところ

 図1、玉皮に親星を並べたところ
玉皮に星を均一になるように底から積み上げていきます。この行程は以外と単純ですが、親星の隙間があまり出来ないように仕込むわけで、割物にとっては肝心なところです。玉が上空で開いたときに穴があいた状態になるのはこのあたりに原因があります。


図2、親星と芯星の間の割薬を入れて内側の芯星の型を作っているところ

 図2、親星と芯星の間の割薬を入れて内側の芯星の型を作っているところ
親星を均一に並べたら、芯星との間に隔たりを作るために割り薬を敷きます。一回り小さい玉皮を型にして和紙で玉皮の形にきれいに敷くのです。この割薬の厚みが、親星と芯星の間隔を左右します。


             図3、芯星を敷き詰めたところ

 図3、芯星を敷き詰めたところ
割薬を玉皮の形に敷き詰めたら、芯星を均一に積み上げていきます。やり方は親星と同じです。


図4、芯の部分に割り薬を入れたところ

 図4、芯の部分に割り薬を入れたところ
芯星をきれいに積み上げたら割薬を玉皮いっぱいに積めます。少しでも少なめに入れると星を固定できずに位置がズレてしまいますし、多すぎるともう片方の半玉皮と合わせられないのでその量は以外と難しいです。


 

 以上の行程を2回行い、玉の1組を作ります。片方に親みちを付けておき2つの玉皮を重ねます。その後クラフト紙を30枚ほど重ね張りをして出来上がりです。貼り方も決まっていて、縦方向1回横方向1回それを交互に行っていきます。
 玉張り作業(たまに紙を貼っていく作業)は、1日に最高8枚(天日干しで乾燥させるため)ほどしか張れませんのでこの後天気が良くて4日ほどかかります。玉張り作業は単純な作業ですが、この貼り数と割薬の強さが、玉の開く大きさ、の善し悪しを決めます。
 


 

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